広島県福山市を中心に多店舗を展開するにこぴん薬局。
子育て世代のスタッフが多いこともあり、急な欠員や店舗間のヘルプが日常的に発生する中、
各店舗の運用をできる限り均一にし、誰がどこに入っても同じように回る体制づくりが求められていました。
その一方で、現場が最も頭を悩ませていたのが、処方箋入力にまつわるミスと精神的な負担です。
入力を急ぐほどミスが増え、ミスが増えるほど気持ちが追い詰められる。
人手不足と業務の属人化が同時に進んでしまう、負の連鎖が起きていたのです。
「最少人数でも確実に回せる薬局へ」。
その課題を解消するための一手として、にこぴん薬局が選んだのが処方箋AI-OCR「薬師丸賢太」でした。
ここからは、導入のきっかけや運用の工夫、変化として現れた手ごたえについて伺った内容をお届けします。
人員不足が浮き彫りにした入力ミスと業務負担
入力に対するプレッシャー
「導入する」前提でデモへ
多店舗運営に効いた「業務フローの標準化」
社内展開を成功させた段階導入と徹底した情報共有
患者対応にも変化「ミスが一気に減った」
薬師丸賢太がもたらす数字以上の価値
まず、システムを探し始めたきっかけから伺えますでしょうか。
株式会社シントミ
福山第1エリア長 薬剤師 栗山 様
調剤事務・管理栄養士 藤井 様
導入を決めた当時、産休と離職が重なって、事務スタッフが本当に足りない状態になっていたんです。 最少人数でも回せるようにしないといけない。最悪、事務が休んでも薬剤師が入力できる仕組みを探していました。
人数がギリギリだと、焦りからミスが出るんですよね。 特に「Do入力」だと、前と同じと決めつけてしまって、実は増量されていたり、朝夕に変わっていたり。 そういう見落としが続いてしまっていました。
人的リスクと業務の複雑さが同時に表面化したタイミングだったのですね。
藤井様は、普段の入力業務で特に負担を感じていた部分はありますか?
入力ミスひとつで金額が変わってしまうので、常に不安はありました。 薬の種類が多いと、どれだけ確認しても「大丈夫かな」という緊張が残るんです。 手入力だと時間もかかりますし、焦るほど間違いやすくなる感覚もありました。
その精神的な負担は、他の薬局様からもよく伺う部分です。
実際、導入後に「入力の確認に集中できるようになった」という声が多いのですが、そのあたりはどうでしょうか。
今は、手入力のときと違って「合っているかを確かめる」だけでよくなりました。
調べ始めたときは、どのように情報収集されたのでしょうか?
レセコン会社さんや卸さんに聞いたり、あとはネットで検索して……。
検索ワードは覚えてませんが(笑)。
ただ、情報を集めた段階で「薬師丸さんかな」というイメージはできていました。
デモ導入時の印象はいかがでしたか。
私は最初から「入れる」つもりで見ていたので(笑)、抵抗はありませんでした。
ただ、事務スタッフは長年のやり方があるので、最初は不安もあったと思います。
私も「安心した」が一番でした。
そうしたシステムが入るだけで、すごく助かると思いました。
多店舗運営では、ヘルプや人の移動が多いと伺っています。
そうなんです。子育て世代が多いので、参観日・入学式などが重なると、一気に休みが増えるんですよ。
そのたびにヘルプが必要になるんですが、店舗毎にルールが違うと、ヘルプする側・される側のどちらにも負担がありました。
薬師丸賢太の導入で、そこはどう変わりましたか?
まず、見慣れない処方箋でもベースを整えてくれるのが大きいです。
賢太が下地を作ってくれるので、どの店舗に入っても不安が減りました。
「ここはこういう流れだよ」という説明も省けるようになって、効率が上がりました。
今日お伺いしていても、他店舗とすぐに連絡を取り合って薬の在庫を確認されたり、必要分を調整されたりしていましたよね。 普段から在庫情報を共有されていると伺いましたが、ああいった連携の早さは、とても印象的でした。
店舗ごとに違う動き方をしているのではなく、みなさんが同じ基準で動いているからこそ成立しているのだと思いますし、地域に根ざした薬局としての強さを感じました。
社内展開のスピードが非常にスムーズでしたが、工夫されたポイントはありますか?
いきなり全店に入れると混乱すると思ったので、まずテスト店舗で運用しました。
そこで「大丈夫」という声をもらってからリーダー店舗へ、さらにエリアごとに広げていきました。
共有ツールを使って「こう入力するとスムーズ」「この処方は賢太が強い」といった情報を全員に共有していきました。 レセコン会社にも協力していただき、薬局で使用しているレセコン対応の「薬師丸賢太マニュアル」を作ってもらいました。
うまく使うための土台を事前に整えていただいて、とても丁寧に薬師丸賢太を育てていただいた印象です。
新しい仕組みを入れるときは、必ず説明会をして、良い反応も悪い反応も一旦受け止めています。 その上で、会社として「これはやる」と決めて前に進める。 メリットが大きいことは伝えて、納得してもらうようにしています。
導入後、患者様への対応に変化はありましたか?
栗山様明らかに変わりました。
以前は複数のミスが重なって、謝罪が続く時期がありました。 でも賢太導入後は、間違い自体が大きく減りましたね。 結果として、患者様の信頼を取り戻せていると感じます。
インタビューを通じて強く伝わってきたのは、薬師丸賢太が「入力を速くするためのツール」ではないこと。
にこぴん薬局では、業務効率化とあわせて、地域とのつながりづくりや採用活動にも積極的に取り組まれています。
現在は自社ブランドのお茶の販売を行い、来局された方との新しい接点として活用されています。
また、Instagramでの発信にも力を入れておられ、日々の取り組みやスタッフの様子の紹介だけでなく、お茶の販売、採用活動の一環としての情報発信にも活用されています。
Instagram:にこぴん薬局公式アカウント
採用に関しても継続的に取り組まれており、事務職は毎年2〜3名を新規採用されているほか、栄養相談に応じられる体制を整えるために管理栄養士の採用も行われています。
多様なスキルを持つスタッフを迎え入れることで、薬局としてのサービスの幅も広がっているとのことでした。